ファッションモデルの知られざる歴史、時代を象徴するモデルの略歴などを
モデルマニアの私がモデルに関する雑学の集大成としてまとめています。
90年代初頭は、ファッション業界はまさにスーパーモデル一色でした。
リンダやシンディは、ファッション業界で最も大切にされ、最も崇拝される存在になっていました。
彼女たちは、完璧な美しさを持つ上、富も名声も手に入れていたわけですが、そこに突如全く違うタイプのモデルが、彗星の如く現れます。
それが、ケイト・モスです。
ケイトは、ガリガリに痩せていて、足の形もO脚で、また身長は170cmしかありませんでした。
顔も、特別な美人というわけでもありません。
しかし、1980年代終わりにスカウトされたケイトは、1990年にデビューしました。
当然、その頃はスーパーモデルの時代です。
しかし、従来のモデルとは正反対の魅力を持つケイトの存在は新鮮で、90年にハーパース・バザーのカバーを飾ったことで有名になり、更に、カルヴァン・クラインの広告でヌードになったことで、世間を騒然とさせました。
ケイトのヌードが、まるで拒食症の少女を彷彿させ、議論を巻き起こすことになったのです。
しかし、クラインの戦略は成功し、広告は注目を集め、ケイトは瞬く間にスターモデルの仲間入りを果たしました。
また、ケイトのようなルックスを「ウェイフ・ルック(浮浪者的)」や「ヘロイン・シック」と呼ぶようになり、以後2~3年は、ガリガリで個性の強いモデルたちが急速にファッション業界をリードしていくことになります。