ファッションモデルの知られざる歴史、時代を象徴するモデルの略歴などを
モデルマニアの私がモデルに関する雑学の集大成としてまとめています。
アメリカではモデル・エージェントのビジネスが繁栄しますが、フランスやイギリスなどヨーロッパ諸国では、まだそのようなシステム、つまり、モデルとクライアントを仲介するビジネスというのはありませんでした。
モデルとフォトグラファー、クライアントがそれぞれ連絡先を把握していて、必要とあらば個人的に連絡を取り合うという方法が一般的でした。
しかし、アメリカより遅れて、1930年代にイギリスにもモデル事務所が誕生することになります。
それが、「L.クレイトン・モデル・エージェンシー」です。
このモデル事務所を設立したのは、ルーシー・クレイトンという女性ですが、この事務所はその前身が学校で、女性のマナー教室や花嫁修業の専門学校のようなところでした。
そのクレイトン・スクールは1928年に開校しており、学校経営の延長線上でモデルビジネスにまで事業を拡大したのです。
モデル事務所を立ち上げたのは、スクール開校10年後の1938年のことです。
クレイトンは、前身の学校が女性の教養やマナーの学校であったため、モデルの訓練も、より洗練された女性になるための訓練と重なる部分が大きくありました。
このクレイトンの事務所からは、後にファッション・アイコンとなるジーン・シュリンプトンや、シリア・ハモンドといったモデルが誕生することになります。